織物の村

先日、オアハカマニアの仕入れで、家から車で1時間半ほどのところにあるTeotitlan del Valleという村に行ってきた。
El Tuleという、アメリカ大陸最大の木がある村のそばを通って、岩肌の出た山々、荒野を抜けて、青い空を眺めながら走っていると、村の入り口の看板を見つけた。

そこは世界的に有名な織物を生産している村なのだ。

オアハカ街中のお店でも、いいなぁ~、とつい手に取ってしまう風合いの良さ、温もりのある織物で、いつか作っているところを訪ねたいと思っていた。
街中の店では相当な値が付いていて、触れるのも恐れ多いのだけど、生産地へ行けば、まだ手の届く値段で買えるかもしれない、なんて期待も胸に。

車を停めて、村を歩いた。

こじんまりとした、落ち着いた家々の並び、週末だったから観光客の喧騒なんかを覚悟していたんだけど、とてもしずーか。
メイン通りを歩くと、織物の工房や店があって、また小道の入り口に、この先に工房あり、なんて看板も見える。
ほぉ、本当にみんな織物を作って生活してるんだなぁ、なんて納得してくると、そういや道行く村人も、みんな何だか職人風情の、いい顔つきに見える。

いくつかの工房にお邪魔した。OLYMPUS DIGITAL CAMERA
どの工房も落ち着いた素敵な空間で、年季の入った現役のはた織り機のそばなんかに、完成したTapete(織物)や、その材料である美しい糸の束が掛けられていたりする。

街中の店で、喧騒のなかで見るのとは違って、そういう静かな場所では目の前にある織物と対面し、真っ直ぐ向き合うような心持になる。
工房はどれも家の一角にあるので、自然とその職人ファミリーの日常も見えてしまうのだけれど、決して贅沢な暮らしをしている感じじゃない。

おばあちゃんが糸を紡ぎ、糸を染めて、おじいちゃんは機を織り、息子、娘たちも手伝い、学びながら一枚一枚の作品が出来ている、という事実が、わかるから、ちょっと背筋が伸びる。

 

 

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA特にサポテコ(この土地の先住民族)のおばあちゃんが裸足で迎えてくれた一軒の工房なんか、作品一つ一つが、仕事の結果というより、そのファミリーの人生の証しのような感じがした。
そしてその土地の自然や、ほんとうに古くからの伝統を紡いで出来た、一枚の織物なんだ。

右の写真がその工房のおじいちゃんである。

 

村で取れた羊毛から糸を紡ぎ、サボテンに付くコチニールという虫や、ザクロなどの植物、インディゴなど、天然染料100%の作品たちは、おじいちゃん、おばあちゃん、家族皆が手間も時間も掛けながら大切に作られてるんだ。

沖縄を思い出した。
宮古島で宮古上布のために糸を紡いでいたオバアや、紅型職人のオジィやオバァの素敵な顔を思い出しながら、いくつかのTapeteを恭しく購入した。

もう一度仕入れのために行く予定だ。
伝統的な作品以外に、しっかりとした作りのパソコンバッグなんかもあって、気に入る柄のものを探してみたい。

また工房へ行くのが楽しみだ。

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