昨年9月にオアハカに引越し、ずっと朝から晩まで子供3人が家に居る生活が続いてたのだけど、晴れて2月4日から、音と山の二人は幼稚園に行くことになった。
音はメキシコシティにいた頃から近所の幼稚園に通っていたので、オアハカでも同じ年代のほかの子供たちと遊べるのをずっと待っていた。
山も昨年末にやっとオムツを卒業して、オムツが取れたら音と幼稚園に行ける!と言っていたもんだから、同じくずっと楽しみにしていた。
親もオアハカの子供達ともっと遊んだほうがいい!と、タイミングを見て幼稚園に入れようと思っていたのだ。
2月から新学期が始まると聞いていたので、1月31日の木曜日になって「このままでは幼稚園に入るタイミングを逃してしまう」と、まずは入園に何が必要かを聞くために幼稚園へ行ってみることにした。
近くに幼稚園は2つある。
一つは家から5分の公立幼稚園、もう一つは以前、この村で家探しをしている時に商店のおばちゃんから、この近くにとても良い幼稚園がある、と聞いた、少し山の方にあるらしい幼稚園。
公立の幼稚園の方に行ったが誰もいなかった。
どうしたものか、と散歩しながら、マキが丁度譜面立ての製作を依頼していた鉄細工の工房に立ち寄ると、そこの主人の子供達が同じ幼稚園に行っていて、次の日、2月1日午前中に新学期手続きをすることと、その時に必要な書類等、そこのお母さんが教えてくれた。
どうせならもう一つの幼稚園も見て、どちらに行くか決めたい。
前にその幼稚園のことを教えてくれたおばちゃんの商店はすぐそこなので、行って場所を聞くと、村の北側に国立公園に指定されている小高い山々があるのだけど、その麓の辺りにもう一つの幼稚園があるということだった。山の方だなんて、何だかワクワクするではないか。
車で我が家から坂を下り、そしてガタガタ道を登り、山の方に道路を入っていくと奥にその幼稚園があった。
家族みんなは期待していたのだけれど、その通り、オアハカらしい土色のかわいい建物のこじんまりとした幼稚園を、車から降りるとすぐに気に入ってしまった。この幼稚園に行こーう!
やはり誰もいなかったのだけれど、また明日午前中に来ればいいだろう、としばらく幼稚園前の空き地などで子供達は花を摘んだりして遊び、その日は家に帰った。
次の日行くと先生がいたので、この幼稚園について、我が家の子供達の入園について聞くことができた。
もともと、すぐ近くにある牧師が運営していた孤児院の子供たちの為に10年ほど前に作られた幼稚園。30名以上の園児がいた時代もあったけれど、現在は6名の園児に先生が一人という体制。残念なことに、設立者の牧師は昨年亡くなってしまったが、彼の意思を継ぐ女性が運営に携わっている。
入学金等はなく、月々の授業料は寄付金として、払える額を納めて欲しいとのこと。
あとは幾つかの書類のコピーを後日持って行くだけ。難しい入園手続きは何も無かった。
公立幼稚園だと、もっと面倒だったかも知れない。
制服、必要な1年分の文房具等教材のリストをもらって、早速午後から街中を回り集める。探すのに少し骨が折れたけれど、色鉛筆やらノートやら揃え、制服を色々合わせながら、親も子供たちも幼稚園生活に対する期待が膨らんだ。
気が付けば、あっという間に幼稚園が決まった。
そして次の日から家族の生活リズムががらっと変わることになった。
朝9時~13時の授業時間に合わせて、大人の足だと片道20分、子供だと40分ほどの、坂を下りたり、山を登ったりの道のりを通園する。朝は6時半起きだ。
その幼稚園、実は我が家の向かいの山、中腹に見えていたのを発見。ロープを張って、滑車を付けて、シャーっと行けたら早いのに・・・
最初の数日はガタガタ車道を1時間弱掛けて、てくてく歩いて通った。
そのあと、近所のおじいさんからロバの歩く近道を教えてもらってからは、毎日あっという間に幼稚園に着くようになった。山道ルートが楽しくて、子供達も毎日ご機嫌。
山道になるとカントは背負子から出て、ロバのウンチを踏まないように気をつけながら、葉っぱを集めながら歩いている。
どうせロバの道を歩くなら、と、現在徒歩からロバ通園に変えるべく、我が家の新しい一員となるロバを探し中である。紹介できる日を、乞うご期待!